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2025年7月初頭の国内トラック輸送状況と課題

1. 需給バランスの厳しさ

2025年度の国内貨物輸送量は前年比2.1%減と見通されており、2024年度の1.4%減に続く下落傾向が続いています。貨物量は減少しているにもかかわらず、ドライバー人材不足や制度制約の影響で「輸送能力が不足し、効率的に運べない」という矛盾が生じています。これが実質的に「混雑」と同様の影響を生み、配車の遅れやリードタイム延伸に直結しています。

2. 積載効率の課題と改善への動き

日本のトラック輸送は依然として積載率の低さが大きな課題です。特に帰り便の空走や荷主間の調整不足により、実効的な輸送効率が落ち込みます。こうした非効率を是正するため、**運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)**が提供する「traevo Platform」を活用した共同輸送が進展。実証事業では積載効率が向上し、燃費やCO₂排出量が30〜40%改善する成果が報告されています。混雑解消というよりも、輸送効率を最大化することで相対的な余力を創出する取り組みといえます。

3. 自動運転トラックの商用運行開始

7月1日から、自動運転トラックによる商用幹線輸送が本格化しました。東名高速から阪神高速にかけて約500kmを結ぶルートで、従来の週1便から週5便へと拡大。遠隔監視とワンマン体制で実現され、幹線輸送の省人化が一歩進んだことを意味します。これは混雑緩和そのものではありませんが、将来的に「ドライバー不足による輸送停滞」を抑制する技術的ブレークスルーといえるでしょう。

4. 「2024年問題」と混雑リスク

2024年4月に施行されたトラックドライバーの時間外労働上限規制、いわゆる「2024年問題」は、7月時点で既に影響が顕在化しています。労働時間規制によって輸送能力が絞られる一方、荷主側の発注調整は追いついていません。国土交通省の試算では、2030年度には34%の輸送力不足に陥る可能性があり、現行ペースのままではさらなる遅延や混雑リスクが拡大すると見込まれます。

5. 混雑の実態と業界対応

7月初頭の時点では、首都圏や関西圏の都市間輸送で、集荷から配送完了までのリードタイム延伸が一部報告されています。高速道路の集中工事や交通量の増加もあり、幹線輸送は効率的に見えても、ラストマイルでの混雑やドライバー不足がボトルネックとなっています。
これに対して業界では、

  • 共同配送・幹線混載の普及
  • ITを活用した需要予測と配車最適化
  • Sea–Railとのモーダルシフト
    といった施策を同時並行で進め、混雑の顕在化を抑える試みが続いています。

まとめと今後の示唆

2025年7月初頭における国内トラック輸送は、「貨物量は減っているが輸送能力の制約で混雑リスクが高まる」という逆説的な状況にあります。解決の鍵は、効率改善(共同輸送・積載率向上)と技術革新(自動運転・DX活用)、そして人材不足への長期対策です。

弊社としては、これらを踏まえ、

  • 共同輸送ネットワークの構築支援
  • 配車・需要予測のAI活用コンサルティング
  • 自動運転・モーダルシフト導入の伴走支援
    を通じ、お客様の輸送課題に対し持続可能な解決策をご提供してまいります。

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