2025年1月、インドでは持続的な経済成長を支えるためのインフラ整備が着実に進展しています。インド政府は「国家インフラパイプライン(NIP)」を軸に、道路、鉄道、港湾、空港といった輸送網の強化に加え、物流効率化に直結するプロジェクトを積極的に推進しています。
特に注目されるのは、専用貨物回廊(DFC: Dedicated Freight Corridor)の建設加速です。2025年には西部・東部回廊の主要区間が稼働を迎え、インド国内の貨物輸送における所要時間が大幅に短縮される見込みです。従来、デリー~ムンバイ間の鉄道輸送には平均で72時間以上を要していましたが、DFCの稼働により約半分の時間で輸送が可能となり、輸出入貨物の時間的な信頼性が飛躍的に向上します。
また、港湾の近代化とデジタル化の推進も進展しており、インド政府が掲げる「Gati Shakti国家マスタープラン」のもと、港湾・鉄道・道路のシームレスな接続が実現しつつあります。加えて、港湾手続きのオンライン化やトレーサビリティの高度化により、物流事業者にとってはコスト削減と効率向上の両面でメリットが期待されています。
さらに、1月に発表された予算案では、インフラ分野への投資拡大が改めて強調され、特に製造業や輸出拡大を支える輸送インフラの整備に重点が置かれました。これにより、今後のインドはアジア全体におけるサプライチェーンの要衝として存在感をさらに高めると見込まれています。
当社としても、こうしたインフラ改善に伴い変化する物流環境を注視し、日系企業のサプライチェーン最適化をサポートしてまいります。