インドでは、2025年第1四半期(1~3月)において、産業・物流向けの不動産供給が前年比57%増の約1,240万平方フィートに達しました。これは過去数年で最も力強い伸びの一つであり、同国における物流需要の急速な拡大を象徴する結果です。
背景
- eコマースと3PL需要の拡大
EC企業の配送網強化、サードパーティ・ロジスティクス(3PL)の事業拡大が倉庫需要を押し上げています。特に「デリーNCR」「ハイデラバード」「バンガロール」といった主要都市圏では、消費市場へのアクセスの良さから拠点需要が集中しました。 - 機関投資家の参入
高品質な「グレードA倉庫」供給の増加は、海外を含む機関投資家による投資が背景にあります。安定した賃貸需要を見込めることから、不動産投資市場でも物流は成長分野として評価されています。
市場の特徴
- 需要の質の変化
従来の単なる保管施設から、AI・IoTを活用した「スマート倉庫」「自動化設備導入型」への移行が進行。 - 地域の多様化
これまで大都市中心だった需要が、Tier-2都市(例:プネ、アーメダバード)にも広がりつつあります。 - サステナビリティ志向
ESG投資の観点から、環境配慮型物流施設(太陽光発電、低排出冷暖房設備など)への関心も高まっています。
業界へのインプリケーション
インドの物流・産業用不動産市場は、単なる拡大期を越えて「質の高度化」「地域多極化」に入ったといえます。これにより、国際物流事業者や荷主にとっては:
- 拠点選定の幅が広がる(都市圏・地方都市の両方で選択肢が増加)
- コストとサービス品質の最適化が可能(先進倉庫の普及により在庫管理・配送精度が向上)
- サプライチェーン戦略の再構築(インド国内での分散型拠点戦略が現実的に)
弊社の視点
弊社は、こうしたインド市場の急速な変化を将来的なサプライチェーンの成長機会と位置づけています。
- 現地倉庫・配送拠点の選定サポート
- 在庫・配送効率化のためのロジスティクス提案
- インド市場特有の制度・規制に対応した輸出入支援
を通じて、お客様がインド市場を最大限活用できるよう伴走してまいります。